訪問診療の時には、普段の生活の状況を伺います。
「夜は眠れてますか?」
「お通じは順調ですか?」
などは定番で、同じくらいよく聞く質問に、
「ご飯は食べられてますか?」
があります。
しかしこの質問には、時に注意が必要です。
成人の方の在宅医療を始めてから気がついたのですが、こちらが
「ご飯は食べられてますか?」
と聞いて、
「全然食べられないんです」
と答えられるご高齢の方の中には、少なからず
「全然食べていないにしては元気だな・・」
と感じる方がいるのです。
これはなぜでしょうか・・?
こういう場合にご家族に話を伺うと、
「いえいえ、うどんやおかゆは結構食べてますよ」
なんていうお返事が返ってくることがよくあります。
そう、「ご飯」という言葉は「食事」のことではなく、「白ご飯」の意味にとらえられることが、特にご高齢の方にはよくあるのです。
そこにはもしかしたら、「白ご飯を食べられないと、ご飯を食べた気がしない」という意味も含まれているのかもしれません。
戦中戦後の食糧難を生き抜いてきた世代の方にとっては、「白ご飯」の持っている意味は大きいのかもしれないな、などと感じます。
いずれにしても、問診を行う際には少し注意のいる言葉ですね。
南條浩輝先生、こんにちは。
中区深井で薬局をやっている金田といいます。
時々訪問させていただいて色々参考にさせていただいています。
「ご飯は食べられてますか?」
まさにその通りですね。
薬局でもインタビューが形式化されがちなので、気をつけたいと思います。
「お酒はのまれますか?」
「いいえ、もっぱらビールです。」(笑)
というのもありました。
金田さま
コメントありがとうございます。
確かに、「お酒」=「日本酒」というのもありますね。
あと、「たばこはほとんど吸いません」の「ほとんど」のような、程度を示す言い回しも人によってかなり感覚の違いがありますから、具体的な本数で聞くなどの注意が必要ですね・・。