また遅くなりましたが、2月18日に参加させていただきました、
FCCN講習会
【NICUにおける退院支援と在宅医療の実際】
の旅日記・第二弾をお送りいたします。
前半はこちらをご覧ください。
続いて、「訪問看護ステーションCIL豊中」の松本康代様より、「小児の訪問看護を導入するにあたっての取り組みと課題」との題でお話がありました。
こちらのSTでは、全体の訪問件数145件のうち小児が23件(16%)で、そのうち訪問開始年齢1歳までが10件と、幼少児を大勢看ておられますが、小児科経験のある方は1名のみだそうです。
印象深かったのは、
「看護する上では大人も子どもも同じ!」
というお話でした。
対象は常に変化する、つまり、小児では成長、高齢者では老化という違いはあれど、変化に対応し続ける必要性があることにはかわりがない。
家族の背景を理解して、指導はタイミングをみながら行う、これも、小児では難しいと言われがちですが、高齢者でも介護者に指導を行うには「時期が来るのを待ってから行う」ということをしているはず。
こういう点で、在宅生活を看ておられる看護師さんの目線において、成人の看護の視点は小児にも活かすことができるという、心強いお話でした。
ただし、やはり小児特有の難しさを内包していることもお話しされました。
日中の活動(学校や通園など)のために小児では訪問看護の依頼が夕方に集中するという特徴があります。
これに対応するためには、いわゆる「9時5時」の体制では難しく、こちらのSTでは営業時間を18時までとして、夕方のニーズに応えるために看護師の訪問先からの直帰を認め、またパート看護師により夕方の人員を増やして対応されているのだそうです。
また、児童デイサービスを始められたこと(ボーイズ&ガールズ)もご紹介がありました。
発表の最後に、関西医大附属枚方病院NICUの山本淳子様より、「実践報告 NICUにおける退院支援の取り組み」との題のお話がありました。
印象深かったのは、こちらの病院では、在宅医療ケアへの取り組みとして早期からの退院支援を開始し、入院後1週間以内から居住地の保健師さんに連絡を取り、退院まで連絡を取り合うのだそうです。
そして、入院中よりご家族と地域の多職種の方との顔つなぎをして、安心して自宅に帰ることができるための準備を進めていくとのお話でした。
また、入院時からカンファレンスにおいて、「この子はどんな状態になればおうちに帰れるのか」ということを、繰り返して話し合われるのだそうです。
集中治療方針に話題が向きやすいカンファレンスの場において、こういう視点で議論が積み重ねられていくことは、医療ケアを要する児にとって、退院後の生活の質によい影響があるのではないかとの期待を感じました。
最後に、NICUスタッフの方と訪問看護ステーションのスタッフの方が地域ごとに小グループに分かれ、交流会の場が持たれました。
こういう機会が増えることで、お互い双方向に顔の見える関係ができていくことは、連携をしていく上ではとても大きなことだと思います。
今回の顔合わせで、実際に子どもに関わる上でのつながりになっていくきっかけになれば・・・と思いました。
以上、2回にわたって長文でご紹介いたしました。
コメント