今月はいろんなところの見学に伺い、すごい刺激を受けてきた。
小児の訪問診療に力を入れている診療所。
診療所の裏を改造して人工呼吸器のついた子どもを預かれるようにしてしまった開業医さん。
NICU経験看護師だけで作った訪問看護ステーション。
医療的ケアを必要とする子どもの面倒をみるボランティアからスタートした訪問看護ステーション。
背景はバラバラで、やってることもバラバラなのだが、共通しているのは、医療的ケアを要する子どもとその家族を守りたい、という考えと、実際に子どもや家族からの信頼が厚く、頼られているということ。
気管切開、人工呼吸や、流動食の注入などの医療的ケアを必要としながら自宅で生活する子どもは、年々増えている。
老人の在宅医療の場合は、賛否はあるものの介護保険によりケアマネージャーという人が使える制度をうまくコーディネートしてくれる。
しかし小児はもともと想定に入っていないため、ケアマネージャーもいなければ、制度が複雑すぎて、そのわりに使えるものが少ない。
こういった子どもたちには、ほとんどの場合お母さんが付きっきりでケアをしている。
それこそ四六時中、眠れず、出かけられず、緊張の糸を張ったままの状態だったりする。
こんな現状を何とかしようという理想を持って、これらの人たちはいろんなバックグラウンドから自分たちができることを考え、実際に行動に移してきた。
道のないところに道をつくってきた人たちで、そこにはボランティア精神も大いに存在する。
しかし一部では、その取り組みを後から行政が認め、補助が付いたりしている部分もある。
最近、医療的ケアを要する子どもたちとその家族をどうやって守ればいいのか、ということを、行政も考え出しているように見受けられるところがある。
でも、行政側も、どんなことにどうやってお金をかけていいのか分からないというのがホンネではないかと思う。
今までの自分もそうだったという自戒の念を込めて言うが、
しょうがない。実際を知らないんだから。
日々顔を合わせる医療従事者でも、ほとんどの人が実際の生活上何が問題なのかを知らないわけで、行政の担当者だって実際に医療的ケアを要する子どものいる家の生活まで知るわけがない。
だから、実際を知っている人たちができることをやり始めるというのは、すごく大きなことだと思う。
そこから訴えていくことで、必要なところにお金が下りて、いらないところを削れるシステムを作ることができればなお良い。
今回見学させてもらったところは、すでにモデルケースと言っていいものを作り上げている。
もちろんそれぞれに課題もありそうだということも分かった。
私の夢は、医療ケアを要する子どもとその家族みんなが、自宅でのびのびと生活できるようなサポートの体制をつくること。
まずは大阪で、いずれは和歌山でそれをやりたいと思っている。
さあー、「夢の引き算」が佳境に入ってきた!
ここで宣言してるし、もう後には引けません(^_^;)
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