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小児在宅

一斉休校の1ヶ月を振り返って

※以下の内容に科学的根拠はなく、あくまで南條個人の印象です。様々なご意見をいただければと思います。

新型コロナウイルス対策については色々思うことがありますが、批判的な話は置いておいて、訪問診療を行っている小児科医というレアな立場から、これまでを振り返って感じることを書かせていただきます。

一斉休校開始から1ヶ月が経ちました。
子どもへの影響と親への影響の両面から、全国的に休校させるという措置に、当初は正直疑問もありました。
しかし振り返ると、以下の2点については、確実に効力を発揮したと感じます。

1つ目に、日本全国に、「そこまでしなければいけないのか」という危機感を持たせたことです。
その結果、少なくとも堺市においては、3月に入ってからの外出自粛はかなりのレベルであったと思います。その根拠として、往診車で走る道には目に見えて普段より車が少なく、2〜3回右折待ちをするのが普通の信号がすんなり曲がれたりする状態になっていました。
ところが、16日(月)の朝、通勤の際に運転していると、混雑が休校措置が開始される前のレベルに戻っていました。
この時に、私は「世の中が緩んでしまった」と感じました。
当初2週間の措置と言われていたので、我慢の期限がやってきたと感じた方が多かったのでしょう。
16日までの間、大阪府での感染者の報告数が想像していたより増加しなかったこともあり、私自身も少し緩んでいたと反省しているところです。
後出しジャンケン的ではありますが、休校措置が延長となる際に、もう少し厳しいメッセージが送られれば、「緩み」はもう少し緩和されたのではないか、という気もしています。

もう1つ、こちらの方が大きな効果ではなかったかと感じていることがあります。
それは、休校措置により、子どもの発熱や感冒症状の患者が激減したということです。
当クリニックの3月を振り返ると、子どもの発熱による往診依頼は、例年に比べて極端に少なく、またきょうだいの診療を求められることもほとんどありませんでした
当初期待されていた本来の目的である新型コロナの感染予防にどの程度効果があったのか、私には分かりません。
しかし、3月中、新型コロナを疑わないといけない感染症の子どもが激減したという事実により、医療現場の混乱はかなりのレベルで緩和されたはずです。
仮に例年のレベルでインフルエンザB型が流行したとすれば、発熱が数日続く子どもが受診するたびに新型コロナを疑った対応を要求されたことになります。
「新型コロナっぽいけど違う」という患者さんがいっぱいいたら、今の感染拡大傾向の中で労力はとんでもないことになったのではないかと思います。

東京都は都立校の休校措置の延長を決めました。
全国的にはまだどうするのか分かりませんし、休校措置が長引くことによる社会的デメリットが大きいことも否定しません。
ただ、仮に新学期が普通に始まると、間違いなく子どもの感染症患者は増えます
そうなった時の混乱は、「新型コロナっぽいけど違う」患者さんがあまりいない現状より格段にひどくなると思われ、もともと想定されていたのとは違う角度から医療崩壊への引き金にならないか、という心配をしているところです。

写真はクリニック近くの桜の木です。
来年は楽しく花見ができるよう、今を踏ん張りたいと思います。

 

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