新型コロナウイルス(COVID19:以下「新型コロナ」)のため、この2ヶ月ほどの間に、社会には一斉休校や緊急事態宣言などの様々な動きがあり、また新型コロナについても徐々にその性質や特徴が分かってきました。
クルーズ船での感染が問題となった頃から、私は一貫して「日本は新型コロナを封じ込めるべき」と考えていましたし、今でもその方がいいと思っています。
しかし、緊急事態宣言が出されて以降の日本政府の対応を見ていると、国内での封じ込めを目指していないことは明らかになってきました。
「封じ込めを諦めました」と明確に言っているわけではありませんが、新型コロナ対策と経済対策には真逆の要素があり、そのバランスを取る方針を示している以上、封じ込めに向かっていないことは明白です。
そして、バランスを取る方針においては、ワクチンが開発されて多くの人が接種を受けられるか、多くの人が感染して集団免疫を獲得するか、このいずれかが新型コロナ対策のゴールということになります。
この方針の善し悪しはさておき・・。
さて、そうなると、われわれは今後、「新型コロナが世の中にいるのが普通」という前提で、生活の全てを考えなければならなくなりました。
先に書いたゴールに日本が到達するには、相当運がよくても数ヶ月、おそらくは年単位での時間が必要となるでしょう。
夏場には流行が少しましになったとしても、秋から冬にかけて、他の感染症と一緒に新型コロナの流行が再燃することも考えられます。
「緊急事態宣言が終了するまでがんばればいい」と思っていたことが、実はこれからもずっと続く・・。
政府の方針が封じ込めに変更されない限り(当面は絶対されないでしょう)、これを受け入れることしか、今の日本での生活を送るには選択肢がありません。
今、流行が落ち着いてきている地方も例外ではありません。
いつどこから流行が再燃するか分からないウイルスと共存する以上、今の落ち着いている時間を、先のための対策を立てておくために有効利用する必要があるでしょう。
一方で、これまでの新型コロナに関する研究や報告などから、どんなヤツかほとんど分からず怖いだけだった敵の正体が、少しずつ分かってきました。
敵が何者か分からない間は、可能性が高いか低いか分からないリスクを、取りあえず大きめに考えて、対策を練る必要がありました。
しかし、これからは、分かってきた敵の正体について理解を進めて、ハイリスクなことを避けつつ、場合によってはローリスクなことはある程度受け入れる生活を考えなければなりません。
そうしなければ、新型コロナを恐れるあまり、違うところで生じる問題が大きくなってしまうからです。
厳しいことではありますが、小児在宅医療の対象となる子どもについても、同じことが言えます。
訪問リハビリテーションを例に考えてみましょう。
自宅に療法士が訪問してもらって行うリハビリについて、新型コロナ感染予防のために利用を控えている方が、私の訪問先にもおられます。
新型コロナ感染予防「だけ」を考えれば、これは正しい選択です。
いわゆる「3密」を避け、自宅で「巣ごもり生活」を送り、接する人を可能な限り減らすことは、個人の感染予防策としても、集団の感染予防策としても、これまでに何度も何度も要請されてきたことです。
一方で、今まで通りの訪問リハビリを受け続けている方もいます。
訪問リハビリの利用を控える期間が長期化すると、関節の拘縮の進行、身体を動かす機会の減少や、呼吸リハビリを受けられないことなどにより、肺炎発症のリスクが上がる可能性があるからです。
「じゃあどうすればいいんだ!」
・・という声が聞こえてきそうですが・・。
冷たい言い方になってしまいますが、どちらが正しいというような、100点の解答がありません。
子どもの状態、家族の状況、地域の新型コロナ流行状況、利用できるサービスなどの地域リソース、そして、子どもと家族にとっての「大切なことは何か」という生命観・・、などをもとに、考えて考えて、個別に決めることしかできないのです・・。
私も含めて、日本人はこういう考え方に慣れていない人が多いように思います。
私自身、新型コロナの封じ込めによるゼロリスクを求める気持ちが強いのが、正直なところです。
でも、これからは、個別に、一緒に、じっくり考えて決めていくことがいっぱいになりますね・・。
新型コロナがおさまった後も、社会はこれまでと一変してしまう可能性が高いと思います。
今まで当たり前だったことがそうではなくなり、これまで考えられなかったようなことが主流になる、といった大変革が、多くの分野で生じるのではないかと私は予想しています。
医療や介護、福祉の分野もその例外ではありません。むしろ、他よりも早い大変革が要求される分野なのかもしれません。
そんな激流の中で方針を決めていくには、そのための根拠になる情報を集めることが大切になります。
残念ながら、今のTVの情報番組やネットニュースでは、とにかく不安を煽る方向に編集されているものがありますので、すぐに飛びついて鵜呑みにせず、その情報源がどこで、根拠が何かをしっかり見極める必要性があるでしょう。
私個人のtwitterやFacebookでは、そういった判断の根拠として利用できる公的な情報や、私の信頼している方が発信している(信頼度が高いと考えられる)情報を紹介しています。
つまらない投稿も混ざっていますが、それは息抜きに見ていただきつつ、参考にしていただければ幸いです。
また、このブログでもできるだけ、そういう情報を紹介していきたいと思っています。
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