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ちょっとだけがんばればできる在宅医療ラジオ

ちょっとだけがんばればできる在宅医療ラジオ第1回「褥瘡」

ちょっとだけがんばればできる在宅医療ラジオ

【開催レポート】ちょっとだけがんばればできる在宅医療ラジオ 第1回「在宅における褥瘡」のリアル

かがやきクリニック院長の私、南條浩輝と、在宅医療の受け手である直野隆一郎氏が、現場の「リアル」をざっくばらんに語る企画として「ちょっとだけがんばればできる在宅医療ラジオ」を始めました。
2024年1月に配信した第1回のテーマは「褥瘡(床ずれ)」。教科書的な知識だけでなく、患者目線での予防法や心理的側面、さらには栄養管理や体圧分散アイテムなど、在宅医療の担い手と受け手、双方の視点から褥瘡対策の本質に迫ります。

ちょっとだけがんばればできる在宅医療ラジオ

※ 画像はAIにより作成しています。

1. ラジオ開始のきっかけとコンセプト

このラジオは、2023年9月に開催された第56回日本薬剤師会学術大会でのランチョンセミナーがきっかけで誕生しました。
メインスピーカーは私、かがやきクリニック院長の南條が務め、ナビゲーターには株式会社アクシスの直野氏を迎えました。直野氏は南條の予備校時代からの親友です。彼は2002年に頸髄を損傷し、現在は電動車椅子で生活しながら訪問診療や訪問看護などの多職種連携の中で生活を営んでいる当事者でもあります。
当企画のコンセプトは、すでに多く存在するアカデミックな学びの場ではなく、「実際どうなん?」という現場のリアルを自由に話すことです。エビデンスを尊重しつつも、教科書通りにはいかない在宅医療の実態を、自分たちの言葉で届けることを目的としています。

2. 褥瘡のメカニズムと意外な盲点

褥瘡とは、長時間の圧迫によって皮膚の血流が滞り、組織が損傷する状態を指します。直野氏がかつて医師から「米粒1粒でも15分あれば褥瘡はできる」と教わったように、非常に繊細な注意が必要です。
特に見逃されがちなのが「ずれ」の力の影響です。ベッドの背上げ(ギャッチアップ)をする際、30度や45度といった中途半端な角度で長時間過ごすと、殿部が前方へずれる力が加わり、皮膚がよれて褥瘡が発生しやすくなります。
また、意外な盲点として、厚手の掛け布団の重みがつま先や膝にかかることで褥瘡ができるケースも、高齢者の在宅現場では散見されます。単なる「床ずれ」だけでなく、意外な圧迫や摩擦、不適切な姿勢による影響を防ぐ意識が大切ですね。

3. 患者視点で選ぶ予防アイテムとケアの実態

直野氏は、褥瘡予防のために複数のアイテムを使い分けています。
車椅子用には、空気の力で体圧を分散させる「ロホクッション」を使用しています。これはウレタンクッションに比べて安定性は欠けますが、お尻が空気の中に浮いているような状態を作り出せるため、除圧効果が非常に高いものです。
就寝時には低反発マットレスを使用し、旅行などの外出時には持ち運び可能な体圧分散ウレタンフォーム「ソフトナース」を持参して、自宅に近い環境を構築しています。また、実際に褥瘡ができてしまった際は、仕事のない週末などに4〜5時間おきに体位変換を行いながら完全に除圧して過ごすことで、数日で傷が劇的に改善することもあります。

4. 褥瘡治療における栄養管理の重要性

褥瘡の予防と治療において、栄養状態は血流や除圧と同じくらい重要な要素です。特に「フレイル」と呼ばれる筋肉が痩せた状態の高齢者はハイリスクであり、一度褥瘡ができると修復に多くのエネルギーを消費するため、さらに低栄養に陥るという悪循環を招きます。
南條が現場で食事内容を確認すると、食事は摂れていても、パンや麺類などの炭水化物が中心で蛋白質が不足しているケースが非常に多いと感じます。また、微量元素の不足も皮膚の状態に影響するため、バランスの良い食事によって、また必要に応じて栄養剤を処方するなどして、身体の内側から治癒力を高めるアプローチが欠かせません。

5. Q&Aから紐解く現場の疑問と解決策

視聴者からの質問では、処置に関する具体的な悩みが寄せられました。
ガーゼの使用については、その目的が「保護」よりも「浸出液の吸収」にあることを理解する必要があります。浸出液が出ていない傷に乾燥したガーゼを当てると、逆に摩擦の原因となり傷を悪化させることもあるため、表面がコーティングされた非固着性ガーゼの活用や、薬を塗るだけの処置を選択する場合もあります。
また、貼付剤(ドレッシング材)の使用については、傷の深さが一定以上に達していないと保険適用にならないという制度上の制約や、感染が疑われる場合には菌を封じ込めてしまうリスクがあるため、あえて使用を控える判断をすることもあります。

6. まとめ:在宅での褥瘡ケアは「除圧・栄養・正しい知識」の三位一体で

褥瘡は一度悪化すると全身状態に深刻な影響を及ぼしますが、生活様式の見直し、適切な除圧アイテムの選択や背上げ角度の工夫、そして蛋白質などを意識した栄養管理を組み合わせることなどで、予防と早期改善が可能です。
医療従事者が患者の「ついやってしまう」生活習慣や心理的な負担に寄り添い、現場のリアルに即したケアを共に考えていくことが、住み慣れた家で健やかに過ごすための鍵となります。
今後もこのラジオを通じて、教科書には載っていない在宅医療の知恵を共有していきますので、ぜひお楽しみに!

ちょっとだけがんばればできる在宅医療ラジオについて

「ちょっとだけがんばればできる在宅医療ラジオ」は、かがやきクリニック院長の南條浩輝と、頚髄損傷患者の直野隆一郎氏が、他では語れない在宅医療のディープなリアルを、お互いの立場から深く掘り下げていこうという、インターネットラジオ番組です。
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