今の職場は、小児科領域の患者さんが結構多いのが特徴である。
全体の訪問の患者さんが約350人で、そのうち約80人が小児科領域になる。
それ以外にも、介護保険の対象にならない若年成人の方が結構おられる。
こういった方々の在宅療養を支援することは、本当に難しいということを痛感している。
介護保険には賛否両論はあるものの、ケアマネージャーという全体を見渡すコーディネーターが存在し、サポートの使い方もある程度決まったルールがあり、重症度に対応して必要な支援の総量が決められるシステムになっている。
しかし、小児ではこういうシステムが全くない上、訪問入浴などの介護保険では当たり前のサービスが小児に対応していないことが多い。
ほとんどの子どもは、お母さんが自力で利用できるサービスや制度を調べ、手探りでそろえている。
しかし、医療、福祉、教育にまたがった複雑きわまりない制度を、お母さんが使いこなすのは並大抵のことではない。
また、医療費補助の制度である「小児慢性特定疾患」は、病名ごとに補助対象が決まっており、重症度で決まらないため、例え自宅で人工呼吸をしながら生活していても医療費補助が全く受けられないため、訪問看護などの利用ができない方もいる。
子どもの在宅療養支援について多くの矛盾を抱えていることは、去年の調査を行った時にも多くの方に教えていただき問題意識を強くした。
(研究報告書は → http://hirokinanjo.com/doc/report_01.pdf)
そして実際にそういう子どもたちを相手に仕事をするようになり、その問題の切実さを改めて痛感している。
少しずつでも子どもたちが自宅で生活しやすく、ご家族の負担が小さくなるような制度になるように、自分にできることを探していこうと思う。
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