常勤医師の勤務について

当クリニックでは、原則として週5日のフルタイムでの勤務が可能な医師を、常勤医師として募集しています。勤務開始後しばらくは研修期間として、下記に示すような形で徐々に在宅医療に慣れていただけるようにバックアップいたしますので、これまで在宅医療のご経験のない先生でも大丈夫です。
夜間待機は週1回、休日待機は月2日程度お願いすることとしています(これ以上可能な場合には別途待機手当を付与することもあります)。待機中、クリニックまで1時間以内で来られる範囲であれば、普通に生活していただいて結構です。
在宅の患者さんには原則主治医制で診療にあたりますが、多角的な視点で患者さんを捉えられるように、同じ医師がずっと診療を担当するのではなく、時々別の医師も訪問して、意見を交換するようにしています。また、そうすることで、夜間休日の臨時対応が発生した時にも、初対面での診療をなるべく避けることもできます。
予定訪問診療件数は、1日8~10件程度です。臨時往診が発生した場合にはこれ以上の件数となることもありますが、訪問診療ではじっくりお話ができるよう、時間的にゆとりを持った予定を立てるように心がけています。
カンファレンスと会議

当クリニックでは、朝と夕方の1日に2回、全職員でカンファレンスを行っています。近いうちに体調の変化のあった患者さんについての情報共有や、訪問看護ステーションやケアマネジャー、病院などの連携機関からの報告内容の確認を行います。また、臨時往診の可能性が高い患者さんの把握も全体で行い、予測される対応について事前に相談しておきます。
また、月に1回、クリニック全体の1ヶ月間を振り返り、今後の方針などについて話し合う会議を全職員で実施しています。ここでは、1ヶ月間の患者さんの動向を確認するとともに、その間の診療や多職種連携などの実践がその後に役立つように、特に学ぶべきことが多い事例について話し合いを行っています。
これらのカンファレンスや会議に限らず、クリニック内では、全職員が感じたことや考えたことをフラットに議論し合える雰囲気を常に重視しています。
当クリニックの在宅医療に向いている医師像

当クリニックのモットーは、「いのちのかがやきに寄り添う在宅医療の提供」です。
・ 患者さんや家族の話をじっくり聴いて、しっかりした関係性を築きたい方
・ 医療職目線だけではなく、生活の中に溶け込んだ医療の提供を目指したい方
・ もともとの専門性の発揮はもちろん、プライマリ・ケアの経験を積みたい方
・ 多職種連携の核となって、地域医療に貢献したい方
こういった先生には、当クリニックの方針はきっと共有いただけるのではないかと考えています。
常勤医の1週間

常勤医の入職後は、以下のようなイメージで診療を担当いただく予定です。平日夜間待機当番を週1回程度、週末待機当番を月2回程度ご担当いただきます。それ以外の日には原則として終業後に拘束時間はありませんが、地域の勉強会や連携懇話会など、スキルアップのために出席が望ましいものがあれば適宜情報を提供いたします。
研修計画

当クリニックでは、勤務いただく先生には院長の訪問診療への同行から開始していただき、徐々に当クリニックのシステムに慣れていただけるような研修計画を立てるようにしております。ご経験に応じ、個別に研修計画について相談をさせていただきますので、これまで在宅医療のご経験がない先生にも対応いたします。
入職後のイメージは以下の通りです。
入職1ヶ月目
在宅医療の雰囲気・特徴をつかみ、当クリニックの診療の流れを把握することを目標とします。院長の訪問診療に同行しながら、カルテ入力や処方箋発行の方法などの説明を行い、一連の業務が理解できるように指導いたします。
入職2ヶ月目
先生のもともとの専門領域や、患者さんの状態などを考慮した上で、訪問診療を行っていただきます。1日の訪問数を少なめに設定して、ゆっくり考えたり調べたりしながら診療にあたっていただき、スタッフも様々な角度からサポートいたします。また、最初のうちにはできるだけ院長が訪問診療に同行し、適宜アドバイスを行います。
~入職半年
主治医としての訪問診療をご担当いただきます。主治医となる患者さんは、先生のご経験や慣れに合わせて徐々にお願いしていきます。
入職半年頃までには、在宅医療でよくある病態やその対応方法について、一通りの経験をいただけると思います。また、ケアマネジャーや訪問看護ステーション、薬剤師などとの多職種連携についても、院長やクリニックスタッフのサポートのもとで経験を積んでいただきます。
~入職1年
主治医としての訪問診療を行いつつ、連携機関との連絡や相談などを含めて、在宅医療チームの一員としての行動を取れるようになる頃だと思います。主治医としてある程度他人を頼ることなく、連携上の課題解決にたどり着けるよう、医療・福祉・介護の制度などを含めて在宅医療全般への理解を深めていただきます。
もちろん、様々な課題や悩むことについては適宜カンファレンスなどで相談し、解決を図れるようにいたします。
~入職2・3年
幅広い症例について、多角的な視野で対応できる応用力を身につけていただける時期です。連携先の多職種の方とも話しやすい関係ができてくるでしょう。カンファレンスにおいて情報共有を行ったり、困難事例などに対しては様々な課題を抽出して解決策を検討できるように、多職種連携の核となれるような医師へのステップアップを目指していただきます。