現在、2016年度の診療報酬改訂についての議論が行われており、どうやら在宅医療関係ではかなり大きな変化が起こりそうです。
報道を見る限り、熱心に取り組んでいるところが報われる形への誘導が進むと言える内容に見えるので、個人的には現時点では方向性自体は歓迎すべきではないかと考えています。

その中でも特に実現してもらいたいのが、今回の議論に初めて出てきた、「機能強化型在宅療養支援診療所」(以下「強化型在支診」)の要件に小児在宅医療への取り組みを含めるというものです。

現在、複数医師体制での緊急往診体制を持ち、在宅での看取りに一定以上の対応をできる医療機関は「強化型在支診」として登録でき、強化型ではない在支診に比べて診療報酬が上乗せされています。
一方で、私の周囲では、小児在宅医療のニーズの高まりから、主標榜科が小児科で在宅医療に熱心に取り組む先生が在支診となり、かなり高度な対応をされるケースが増えてきました。
小児在宅医療の対象となる子ども達は、気管切開や胃瘻、在宅人工呼吸などの医療的ケアを要することが多く、また複数の在宅医療管理を受けていることも少なくありません。
当クリニックでは、小児・成人両方の在宅医療を行っていて、在宅看取りにも一定の実績がありますが、小児へのきめ細やかな対応は、成人の在宅看取りに対応するのと比較して勝るとも劣らない時間やマンパワーを要するものです。

しかし、小児在宅医療では「在宅看取り」の数はきわめて少なく、それを条件としている「強化型在支診」は、小児科だけでは目指すことができないものとなっていました。
そこに、今回の議論の中で、
「強化型在支診の実績要件について、在宅看取り件数だけでなく、超・準超重症児に対する医学管理の実績を加味する」
という話題がのぼってきたようなのです。

在宅医療の制度自体、そもそも高齢者に対するものを想定してできあがってきたものであり、小児在宅医療を行う上では辛い部分が多々あります。
以前この場で署名をお願いした「訪問看護ステーションからの訪問看護の自己負担問題」なども、小児が議論から抜け落ちているから起こってしまっている状態だと言えるでしょう。

小児在宅医療の裾野が広がっていくためにも、必要な時間やマンパワーに見合った診療報酬が設定されるように、ぜひこの議論は実現に向かってもらいたいと願っています。