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新生児科

小学生だったお兄ちゃんがくれた感動・・

「僕の妹」

まずは、上の動画をぜひご覧ください。

・・開業当初より訪問診療をさせてもらっている、5歳になる女の子がいます。
私が以前NICUに勤めていた時に主治医をしていた、超低出生体重児の赤ちゃんでした。

この女の子は、生まれてすぐに、いろんな困難に直面しました。
特に、気胸と脳室内出血はとても重症で、いつ命に関わることになってもおかしくない、という状況が、生まれてすぐから長い期間続きました。

女の子には、お兄ちゃんとお姉ちゃんがいます。
お姉ちゃんはまだ小さくて、お父さんお母さんの面会についてきても寝ていることが多かったのですが、お兄ちゃんは小学5年生で、いつも女の子のことを心配そうにしています。
お父さんお母さんと相談して、病状の説明はお兄ちゃんにも一緒に聞いてもらうことにしました。

気胸のドレナージは何ヶ月も続き、小さい身体に入っているチューブは細いため、すぐに詰まって空気が抜けなくなります。
そのたびに呼吸状態が不安定になり、チューブの入れ替えが必要になるという、大変な状態でした。
また、脳室内出血の血を抜くために、頭からもチューブを入れていました。このチューブにかかる圧を管理するために、身体の角度を厳密に守る必要もありました。
状態が悪くなるたびに、お兄ちゃんはお父さんお母さんと一緒に説明を聞いていました。
私も、小学生でも解るように・・と思って説明していたつもりですが、どれだけ解りやすく話せたかは自信がありません。

しかしその後、奇跡的に気胸が治まります。
徐々に状態が安定していった女の子は、気管切開し、在宅人工呼吸での退院を目指す方向に向かっていきました。
この時点で私は異動することになり、その後を後任の主治医の先生にお願いしたのです。
後任の先生の尽力もあって、その後自宅に退院、在宅生活が始まっていました。

2年後に女の子と再会した時、奇跡はさらに、信じられないレベルの奇跡になっていました。
あれだけ呼吸状態が不安定だったのに、在宅人工呼吸器から離脱し、気管切開もカニューレが不要になり、ろう孔からの吸引だけで過ごせるようになっていました。
経鼻胃管からの注入だった栄養も、全部口から食べています。
そして、遊んでもらってニコニコ・・。
家で過ごし、お兄ちゃんお姉ちゃんにとてもかわいがられながら遊んでもらっているうちに、周りの誰もが予想しなかったレベルで成長を遂げていたのです。

訪問診療にうかがうようになってさらに2年、この間の成長もめざましいものです。
お姉ちゃんの弾くピアノに合わせて踊ったり、手を叩いたり・・。
お兄ちゃんは高校生になり、会うことは少ないのですが、毎年作文には女の子のことを書いているんだそうです。

・・そんなお兄ちゃんが作った動画が、冒頭の作品なのです。

今日の訪問診療の時、お母さんから教えてもらって動画を見ました。
感動ものでした。
すでにお兄ちゃんのtwitterからは、80近いリツイートで広まっていて、多くの方に閲覧されているようです。

あの時の小学生が、こんなことを考えて大きくなって、こんな情報発信をするようになったなんて・・と、色々、何とも言えない感情がわいてきた、今日の訪問診療でした。

・・が、一応最後に、お兄ちゃんに一言。
ネット上に写真を上げるときには、前もって映ってる人の承諾を得ましょうね。
もしかしたら、写真がネットで広まるのがイヤな人もいるかもしれません。
その配慮ができたらカンペキでしたね。でも今回は、動画のできばえに免じて許してあげましょう(^^;)

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