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よしなしごと

「連携」という言葉

どこの勉強会や研究会に行っても、「連携」という言葉をよく耳にする。

「地域連携」
「多職種連携」
「病診連携」 などなど・・

そしてどこでも、みんな口々に
「顔の見える連携が大事です」
と言うけれど、何か釈然としない、違和感というか消化不良な感じが常にあるような気がしている。

そもそも「連携」って何なのか??
ふとそう思って、「連携」を国語辞典で引いてみたところ、以下のように書かれていた。

同じ目的を持つ者どうしが互いに連絡を取り協力し物事に取り組むこと。

なるほど。
これを小分けして読んだら、どうも「連携」という言葉には3つの要素がありそうだ。
つまり、複数の者の間で、

1)「同じ目的を共有していること」
2)「双方向に互いに連絡を取り合っていること」
3)「協力体制をとっていること(役割分担していること、とも言い換えられるかな?)」

この3つの揃った仕事をしているとき、それは国語辞典の言う「連携」と呼べる。
単に、複数の者で一緒に何かの仕事をしている、あるいは何かの仕事を誰かに頼む、というだけで「連携」ではない、というワケだ。

・・あれ??

ということは、「顔の見える連携」という言葉、確かに大事だけど、これって「連携」の最低条件かもしれない

1)は、お互いが何を考えているのか、何を問題だと認識して何をしてあげたいと思っているのか、確認作業が必要。
さらに2)にも関係することだが、診療情報提供書などの紙切れ一枚で何かを伝えたとしても、それは一方通行の「依頼」と「受諾」でしかない
3)のためには、チームの中でお互いの役割を明確にする必要がある。

こうやって考えると、上の3つが揃うためには、顔がお互い見える関係の上で、自分の仕事をどれだけ信頼してもらえるか、相手の仕事をどれだけ信頼できるか、ということが必要になってくる。
そのためには、日々の仕事の中での小さな積み重ねを繰り返していくしかない。

それだけ、「連携」とは重いものだということ。
「顔の見える連携」と、これほどまでに連呼されるのは、「連携」という言葉が響きの良さから軽い使われ方をしてきて、何だか本来の意味から遠のいてしまったから、なのかもしれない。

「顔の見える連携をやっていきましょう!」
そう叫んで、すぐに「連携」できるわけではない。
もちろん、「連携」のためのきっかけとして、顔を合わせて勉強する機会があることも重要だと思うが、真の意味での「連携」のためには、小さなことからコツコツとやっていき、お互いに信頼できる関係になること、お互いの考えていることをよく理解しようとすることが一番必要なんだな・・。

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