少し時間が経ってしまいましたが・・。

2月16日に、以下のシンポジウムにシンポジストとして参加してきました。

表紙にはお名前が載っていませんが、この5名以外に、一般の小学校で医療的ケア児に関わっておられる看護師さんも2名、発表をいただきました。

医療的ケア児に学校で関わる看護師と、自宅で関わる在宅医や訪問看護師、そして制度を作成する側の教育庁や福祉部の方が一同にそろったシンポジウムというのは、私の知る限りはおそらく大阪で初めての試みだったと思いますし、全国的にもまだ多くは開かれていないのではないかと思います。

私は他の方より長めに時間をいただき、在宅医としての目線から、小児在宅医療の一般的なお話と、就学を控えたお子さんのご家族から必ず相談されることについて、子どもを取り巻く社会的背景の変化も交えて紹介させていただきました。

その後、

訪問看護師さんからは、小児の訪問看護利用者の方の医療的ケアと就学の状況や、訪問看護師と学校の看護師の連携で今後できることについての提案など

特別支援学校の看護師さんからは、特別支援学校で過ごす子どもたちの生活の様子の紹介、学校看護師としての働きや、仕事上の困難さ、今後必要とされる支援や課題について

教育庁と福祉課の方からは、行政側の立場から、学校における医療的ケアの現状と、重症心身障害児者支援の取り組みの変遷、課題として認識されていることや今後への展望について

一般の小学校の看護師さん2名からは、一般校での医療的ケア児の生活の様子や、実際に受け入れる際の困難さや悩み、特に主治医と学校看護師との間で連絡を取りづらく、指示書受け取りのみしか医師とのコンタクトがないことによる大変さ

などについてのお話が、それぞれありました。

そして、その後の総合討論でも、かなり活発で、突っ込んだ議論がなされました。



シンポジウムが閉会した後も、会場には多くの参加者の方が残り、登壇した方に多くの質問をされていたのが印象的でした。

特に、

「指示書を書く医師にはぜひ学校に来てほしい。実際にどういうところでどうやってケアを行っているのかを知った上で、イメージしながら指示書を作ってほしい。」

という声が、学校の看護師さんの多くから聞かれました。



このシンポジウムに出席して、今回の取り組みはとても画期的なものに思えました。

開業以来6年半が経ち、小児在宅医療に関わる多職種との連携をテーマにさまざまな活動をしてきましたが、実際に、学校の看護師さんが何をしていて、何に悩み、何に困っているのかというナマの声を聞く機会は、これまでたくさんあるとは言い難い状況でした。



私は、医療的ケア児が増え、特別支援学校や一般の学校で学ぶことに対して、もっと医療側が教育現場をサポートしていく必要があると思っています。

これまでもできるだけ、医療的ケア児が入学する一般の小学校には、入学前にうかがってカンファレンスを開いていただくなどしており、直接お話をすることで理解を深めていただくとともに、入学後のバックアップもできるようにと考えています。

また、特別支援学校の先生方や看護師さんとも、これまで何度か個別のケース会議などを開いていただき、情報の共有や課題の整理などをさせていただきました。



医療を提供することを前提とした環境ではなく、また自宅とも大きく異なる「学校」という環境で、集団生活する子どもの中で医療的ケア児に関わることの難しさや特殊さは、我々が外から想像する以上であることを再認識しました。

そして、それをどうやって解決していくのか、教育現場と医療職とがもっと近付いて、一緒に考えていく必要性を感じました。



もう一つ、こういった特殊な環境で医療的ケアに関わる学校の看護師さんは、スポットライトを浴びて発表や議論などをする場に恵まれていなかったことを、今回痛感しました。

そして参加された学校の看護師さんの多くから、今回のような企画を続けてやってほしいとの声もたくさんいただきました。



これは私見ですが、学校での医療的ケアはもはや看護の一分野として認められるべき、専門領域ではないかと思うのです。

「学校看護学」などとして研究会や勉強会を開催するなどして、同じ立場の看護師どうしの情報交換を容易にするとともに、専門性を発揮する看護職としてのアイデンティティを確立することも、今後の医療的ケア児のサポートのためには重要になってくるのではないかと感じました。

(もしかすると保育園や幼稚園でも同じようなことが言えるかもしれません)



多くのことを学ばせていただいたシンポジウム。

今後も教育現場との連携については、できることを探していきたいと思っています。